数学の証明から学ぶ、4つのしてはいけない事

By | 2013/11/24

中学校の数学で出てきた「証明」についての思考は、実はかなり役立ちます。

 

数学の証明でやってしまいがちのやってはいけないケースから、

日常での論理立てにも役立ちそうな4つの観点を紹介します。

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①定義があいまいのまま議論をすすめるのはNG!
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日常において、
「全体のために」とか、「より良く」という言葉を使うかもしれません。
ですが、ある程度「今回の場合は『全体』とは何を指すのか」や、「何をもって『良い』とするか」を定めておかないと、相手と話す時に言葉に対する認識のズレなどが起きてしまいます。
証明を進めるときに、例えば「nを自然数とする」や「aは定数とする」という記述をし、文字の定義を行ったのを覚えていますか。
もし、こういった定義をしないで証明を進めてしまうと、読み手からしたら理解する事が出来なくなるため、テストの際には減点されてしまいます。

 

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②仮定と事実の区別をつけずに議論をすすめるのはNG!
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普段話している時に、自分が立てた予想やうわさ程度に聞いた“仮定”の話なのか、それとも実際に目で見たものや起きた現象である“事実”なのかを区別して議論を進めないとすれ違いが起きてしまいます。これも日常でもありがちですね。

数学の場合、「A=Bを証明せよ」という問題で、証明の途中でA=Bという式を書いてしまうと、「事実じゃない事をあたかも事実のように書いた」ことになり、×になってしまう経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか(「A=Bと仮定すると」と表記すればOKです)

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③場合分けをうまく出来ないとNG!
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MECE(モレがなく、カブリもなくという意味。「ミーシー」と読みます)という言葉があります。
アンケートの質問項目を作る時や、対象層数をパターンに状況を分けるときとかに意識すべき観点です。
こういった時には、限りなく「モレがなくカブリもない」ものを考える必要があります。

「場合分け」と聞いて苦手意識を持つ人もいるかもしれませんが、かなり重要な視点です。

 

数学の証明でも時折この「場合分け」は使います。
「x≦2と2<xで場合分け」をする時に「x=2」を場合わけからはずしてしまったり、そもそも場合分けをするラインを間違う事もあります。「全部の場合の場合分けが出来ているか」と「分けるべき所で分けられているか」が場合分けでは重要です。

 

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④図などを用いて多角的に理解していないのもNG!
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さて、最後はちょっとだけ視点が違うものを。

覚えるのではなく、しっかりと理解するために必要な考え方です。
さまざまな言葉で理解し、説明できるようになるためにも多角的に見る必要性があります。図を書いて関係性を理解する、ほかの事例は当てはまるのかどうか調べる、など、様々な方法で一つの物事を理解することができます。

 

数学の証明の場合は、問題を解くときに「むむむ…」と頭の中だけで考えてしまうのはもったいないという話。
そんなとき、図を描いたりグラフを書いたりすることで、ああ、そういうことか!ってなり、理解が進むはずです。

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さてさて、今回数学の証明から応用できる、4つの論理の立て方、という形で紹介させてもらいました。
ほかにも証明から役立つ考え方もあるのですが(例えばなるべく指示語の「それ」「これ」を使わない、など)、代表的なものという事でここまでにしておきます。

この話を見て「ああ、意外と証明って楽しかったのかもなぁ」とか、「数学から役立つことってあるんだなぁ」とか思ってくれたらうれしいです!

ではでは、このあたりで。

書いている人のプロフィール

数学のお兄さん

横山明日希(@asunokibou) 数学のお兄さん。理系、恋愛、WEBの3本柱でイベント開催やコラム執筆など。キーワードは「日常に科学を、人生にワクワクを」「世の中のミスマッチをなくす」「掛け合わせればナンバーワンになる」 詳細プロフィールはこちら

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