理科の教科書は好きですか?数学の教科書はわくわくしますか?
僕はありがたい事に、この質問には「はい」と答える側の人間でした。
しかし、全員がこの質問に「はい」と答えるわけではなく、その教科書を使って行われる学校の授業を通して、理科や数学の科目に対しての苦手意識を持ってしまう人は少なくはありません。
はじめに断っておきますが、教科書の存在価値自体は非常に高く、それらを活用していく学校の授業も決して無駄なことはありません。
しかし、学校の授業だけだとどうしても補いきれない科学への楽しさがあるのです、
今回はその学校の授業だけでは補いきれない科学の楽しさとは何かを書いていこうと思います。
理科の教科書にはさまざまな法則や実験結果がたくさん記載されており、また、私たちが到底目で見ることが出来ないミクロやマクロの世界までまるで世の中のすべてが分かっているかのように淡々と事実を並べています。
例えば、地球は太陽の周りを回り、しわのあるマメがなるえんどう豆同士からはしわのあるマメが生まれ、すべての分子は同じ数で同温同圧下では同じ体積を成す、といった説明があたかもふつうに書かれています。数学においてはさらに極端で、定理が淡々と並んでいますね。
これらがどう議論され、覆され、実験され、、、また、その事実を見つけるために偉業者達は何を思い結論を追い求めたのか、そういった「歴史」が科学の教科書にはほとんど掲載されていないのです。
ある言葉で括るのであれば「“なぜ”その分野に取り組もうと思ったのか」「“どのような”議論や実験を重ね結論までたどり着いたのか」「“どんな”対立する仮説が同時に唱えられていて争われてきたのか」といった疑問を抱くためのきっかけとなる内容が載っていません。
科学の分野だけではないことですが、こういった“過程を知る”行為にこそ、本当の楽しさや、また、今ある技術を未来の発展につなげる可能性がつまっているのです。
事実だけを述べられていく理科の授業の中で、こういった疑問を持って科学への楽しさを感じてもらうのは難しく、科学という分野に対して「暗記すればいい」という短絡的思考で取り組む人が生まれてしまうのは現状として当然なのかもしれません。
冒頭でも書きましたが、僕はありがたいことに、ある日気まぐれで学校の図書館の科学雑誌を手に取ることがあり、そこから科学への関心が高まっていき、結果科学の教科書が楽しいとも思える人になりました。その偶然がなかったら、そもそも大学への進学というものを検討していなかったかもしれません。
偶然とはいえ科学のそういった楽しさに気づけた身としては、
単に科学を知識として捉えるのではなく、もっともっと疑問や可能性をみんなが感じてくれるそんな仕掛けが増えていくと嬉しいな、と思っております。
書いている人のプロフィール

横山明日希(@asunokibou) 数学のお兄さん。理系、恋愛、WEBの3本柱でイベント開催やコラム執筆など。キーワードは「日常に科学を、人生にワクワクを」「世の中のミスマッチをなくす」「掛け合わせればナンバーワンになる」 詳細プロフィールはこちら